旬のレシピ(タイトルイラスト)
料理・文・写真/T.Little Kitchen

<プロフィール> 京都女子大(食物)卒。アクティブ野菜ソムリエ。調味料ジュニアマイスター。全国料理学校協会教員資格を所持。料理講師、レシピ開発、講演、イベントなどで野菜・果物の魅力を伝えている。
TBS「はなまるマーケット」の“岡江・薬丸絶賛レシピ”に選ばれたり、数々の料理コンテストで入賞経験有。
三重県在住。2児の母。
「T.Little Kitchen」

にら イラスト

 匂いからは想像もできないほど、たくさんの可憐な白い花を咲かせる「にら」。8〜10月頃、にら畑はこのかわいい花で真っ白になります。

 日本に伝わったのは9世紀頃と古く、古事記や日本書紀にも登場しますが、仏教では「五葷」といって、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、ヒル、ネギの匂いの強い食べ物は聖域に入るべからずと禁じていたこともありました。薬用植物として細々と育てられていたにらは、1960年代になり中華料理の餃子やニラレバ炒めが普及したこともあり、一般的に広まりました。

 この匂いの正体は、にんにくや玉ネギにも含まれる硫化イオウ(アリシン)。アリシンは内臓の働きを活発にしたり、ビタミンB1の吸収を良くしてエネルギー・糖の代謝をスムーズにします。昔から、にらは体を温め精がつく野菜と言われていますが、風邪予防のビタミンC、カロテンにおいては100gで成人男性に必要な9割が摂取できます。他にビタミンE、ほうれん草並みのカルシウム、鉄などのミネラルや食物繊維を含む健康野菜です。

 ハウス栽培により年中出回りますが、冬〜春のにらは柔らかいのでお勧めです。ちなみに路地物の旬は夏ですがやや固めです。
 保存は日持ちがしないので新聞紙に包んでにラップで覆い、立てて野菜室に入れ早い目に使いましょう。また、臭みが出るので葉先は折らないように注意しましょう。
 選ぶ時は葉先までピンとしていて、肉厚で緑色が濃く切り口が白くみずみずしいものを。

 ところで、にらの下部の白い所を切って捨てていませんか?上部の緑の部分はカロテンやビタミンEを多く含みますが、白い所はアリシンに変化するアリインを緑色の所の約4倍も含みますので、その栄養を捨ててはもったいないですね。

 今回の料理では、空気に触れると酵素が働きアリシンが増えることを利用して、白い部分をみじん切りにし、ソースとして使ってみました。ビタミンB1を多く含む豚肉との相性もピッタリ。また、油で炒めると脂溶性のカロテンの吸収も良くなります。
 お肉でまーるく包んだ緑、赤、白の3色の(トリコロール)野菜。アリシンたっぷりのにら入りソースで、トリコロール巻きの色と栄養を楽しんでみませんか?
 きっと野菜のトリコになりますよ!

にらと豚肉のトリコロール巻き〜中華風〜
料理の写真
* 材料 (4人分) *
  • にら・・・・・・・・・・・・・・・・1束
  • パプリカ(赤)・・・・・・・・・中1こ
  • えのきたけ・・・・・・・・・・・1束
  • 豚薄切り肉・・・・・・・・・・・12枚
  • 塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
  • コショウ・・・・・・・・・・・・・・少々
  • ゴマ油・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
  • 調味料(A)
    (しょうゆ大さじ2、砂糖小さじ1、酒大さじ2、水50cc、酢大さじ1)
  • ゴマ油・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1

◇◆ 作り方 ◆◇

  • にらは白い下部5cmはみじん切り、上部は5cmの長さに切る。
    パプリカは長さ5cmの細切り、えのきたけも石づきを落とし5cmの長さにする。
  • 豚肉を広げて軽く塩、コショウをする。中心に、にら、パプリカ、えのきたけを12等分に分けたものを置き、肉を巻いていく。
  • フライパンにゴマ油大さじ1を熱し、2の豚肉の巻き終わりを下にして入れ、焼き色が付いたら転がして全体を焼いてお皿に盛り付ける。
  • 手早く3のフライパンにゴマ油小さじ1を入れてみじん切りのにらをサッと炒め、合わせておいた調味料(A)を入れ沸騰したら、豚肉にかけて出来上がり。